チリンと鳴らして

2020/ 01/ 17 (金)

 鉄道高架沿いの道を歩いていると、10メートル程前を行く男性が何かに気づいて立ち止まった。振り返るようにして大きな住宅を伺い、首をかしげる。きっと聞こえたのね……

 その人はまたすぐに歩き出す。続いて私が同じ場所に到達する。

 チリンチリン。

 やっぱり聞こえた、かすかな風鈴の音。でも、どこで鳴っているのか分からない。

 

 季節に関係なく、その音は聞こえる。年に一度だけの除夜の鐘や祭り囃子にさえ苦情が来るような世の中だ。風鈴も肩身が狭いだろうが、ここでは高架を走る電車の音よりずっとマシというところか。そういえば、煩く鳴っているのは聞いたことがない。いつもかすかにチリンチリンだ。その度につい、どこで鳴っているのかと探してしまうのだが、姿は見えない。……本当に風鈴?

 

ーーー

 この一週間は、なんやかやで慌ただしく過ぎた。月がきれいで、素敵なことも一つあった。

 今日は久しぶりに「はじめまして」のメッセージを頂いて嬉しくて、こうしてPCを開いた。ざっと振り返ってみたら、二年ぶりの「はじめまして」だった。

 

 いつものお客様には「そのうち書くから」と甘え、たびたびの開店休業。去ってしまった誰彼のことを考えれば、ここにいていいのかと無駄に落ち込み、隣りの芝生の青さと賑わいを見れば、がらんとして意匠も何もない我がブログを維持する意味を探してしまう。でも、たまぁ〜に風が吹いて、胸がチリンと鳴るんだ。チリンと揺れればチリンチリン。書いていてよかったんだと思えて、また書きたくなる。今までずっとその繰り返しだ。ひとりでもふたりでも、読んでくれる人がいるって素晴らしいな。

 

 皆様に、改めて御礼申し上げます。

 ありがとうございます。

 チリンチリン。

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何かは知らない

2020/ 01/ 09 (木)

 朝一番の美容室に行くと、担当の美容師くんからいい匂いがする。手首につけているのだろう。昔どこかで嗅いだ懐かしい匂いで、なんだっけ、だれだけと考えているうちに、その匂いはすぐに遠くへ薄らいでしまう。

 

 今日、となりで施術してもらっていた女の子はとてもおしゃべりだった。アイドルのチケットを定価ではなく、10万円も出して買っていることや、そういったコンサート関連の様々な裏取引のこと、小顔効果の針や、マツエクやピーリングなどの美容関係のことなどなど、短時間に話す話す話す。声も大きいので、なんとなく聞き入ってしまうせいか、私も、私の担当の美容師も、今日は口数が少なかった。

 

 ちらと見えた横顔のまつ毛は分厚く長く、お化粧もばっちりきれいで、普通のお仕事をしているようには見えにくい子だった。お金の使い方は人それぞれだけど派手だなぁと思っていたら、ふとその子が、「こないだ、お母さんに焼き肉を奢ったんだ」と言う。「大枚はたいてチケットとか買ったりするじゃん? 自分の楽しいことにお金使うのはいいけど、それだけじゃだめだなって思うようになったんだよね。今度、北海道旅行にも連れて行ってあげる予定」

 

 いい子じゃん。
 どうも、身近な人が亡くなって、そういう考えになったらしい。

 

 その話に触発されたのかどうか、しばらくすると担当の美容師くんが、「3月に母の誕生日があって、サプライズで何か贈ろうかなーと思ってるんですけど、何がいいですかねえ」と私に聞く。何がいいかしらねぇ。私ならその気持だけで充分だけど。

 

 先に隣りの子が終わって会計に立った。鏡越しに見たら本当に目一杯「キレイ」にしている子だった。一見、自分にばかりお金をかけているみたいだけど、でも、そうでもないんだな……。とはいえ、親に良くしていたら後は何をしててもいいとは、自分の子にだったら言えないわけで……。

 

「サクライさん、もう少し髪を長く伸ばしたら、くるくるってパーマをかけてみませんか?」という美容師の言葉に、最後にパーマをかけたのはいつだったかと考える。ゆるいパーマはともかく、くるくるっといえば若い頃ソバージュが流行って、そのときに……と思い出したら、さっきの香りが一瞬蘇ってまた消えた。

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坂のもんだい

2020/ 01/ 08 (水)

 スマホでブログを見てみたら、下の方に「このブログの人気記事ランキング」というのがあった。2位以下の4つは最近のものなのだが、ダントツの一位は雲母坂について書いたものだった。(4月23日の記事です)

 

 私のブログには、検索エンジンを使った単語検索から辿り着く人がいないように、記事ごとにタグを書いておいてある。ルートにもrobots.txtを置いている。だから「coode note」以外の検索で来る人は、ある時までは皆無だった。なのに、なぜか雲母坂の記事だけインデックスされている。もちろん、それだけ雲母坂問題に出会う人が多いということではあるだろうけれども、私としてはそういうことがないように制御しているつもりだったので、ちょっと複雑だ。

 

 しかも、何の対処法も書いていないから誰の役にもたたない。それ以外の余計なことばかり書いた記事だ。やたらに読まれたくもないというか申し訳ないというか……

 

 というわけで、該当のタイトルを変えてみようと思うのだけど、今さらそんなことをしても無駄なのかな。記事ごと非表示にしようかしら。ごめんなさいね。

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